2008/12/27

イタリア時代のフランス・ギャル




 ドイツでの活動に続いて今度はイタリアにも足を伸ばしました。1969年のサンレモ音楽祭での映像です。歌っている曲は「雨」(原題は「La pioggia」)で、これはもともとイタリア人歌手ジリオラ・チンクェッティの曲です。ジリオラも同じくこの1969年のサンレモ音楽祭で歌っていますが、所謂、競作ってやつでしょうか。もちろん有名になったのはジリオラの方で、フランス・ギャル・ヴァージョンはほとんど話題にならなかったようです。因みにこのジリオラ・チンクェッティですが、フランス・ギャルと同じ1947年生まれで、1963年にデビューというのも同じ、さらにフランス・ギャルが「夢見るシャンソン人形」で1965年のユーロ・ヴィジョンのグランプリに輝いたその前年の1964年に「夢みる想い」という曲で優勝してるというところも同じです。しかも邦題が「夢見る」で始まるところまで共通してますね。ジリオラの映像もUPされているので興味がある人は聞き比べてみてほしいのですが、フランス・ギャルと比べるとジリオラは、同い年なのに見た目もずっとお姉な雰囲気で、声も低めで大人な感じなので、残念ですが私的には対象外です。ドイツ語ほど固くはないですがイタリア語っていうのも語気が強いというか、やはりフランス語の響きに比べるとぶっきらぼうな感じがします。フランス・ギャルはイタリア進出も考慮してかイタリア語で歌っていますが、実は同じ頃にさらにスペイン進出も目論んで、スペイン語で歌ったレコードもリリースしています。この時期、フランス・ギャルはヨーロッパ圏に進出しようと試行錯誤していたようですが、いずれも芳しい成果は得られませんでした。

 さて、それはともかくこの映像のフランス・ギャルですが、腰のベルトがアクセントにした黒いミニのワンピース姿で登場です。すでに22歳にならんとする頃ですが、この頃の映像はミニスカ・ワンピ姿が多いですね。ワンピ好きの私には嬉しい限りですが、「シャンソン人形」以降のアイドルのイメージと、大人の歌手への成長段階の狭間で、何やら焦点が定まらないような不安定さをフランス・ギャルが抱えているように感じます。ドイツ語やイタリア語の歌を難なく歌っているように見えますが、日本語版の「シャンソン人形」にしても、可愛らしいとはいえ所詮は外国人の日本語なので、フランス・ギャルにとって母国語でないドイツ語やイタリア語やスペイン語も、日本語ほどではないにせよ、ネイティブの方が聞いたら多少の違和感はあるのでしょうね。結局、フランス・ギャルのイタリア進出は、この曲を皮切りにして数枚のシングルをリリースするのみに留まりました。