2009/05/20

マーゴのお友だち—ソフト・ロックの定番ガールもの


 マーゴやクロディーヌは一般的にはソフト・ロックの範疇に区分けされているので、この二人を愛聴する私としては、ソフト・ロックと呼ばれる音楽の中に同じように愛聴できる女性アーティストがいるのではないかと気も漫ろなわけですが、残念ながら話はそう簡単ではありません。今やソフト・ロックという定義も幅広く音楽ファンに定着して、それなりに人気もあるし、どこから見つけてくるのかレアな名盤も多いし、解説本の類いも多くなってきたのですが、やはり本当に自分の気に入るものはそう簡単には見つからないし、また簡単に見つからないからこそ、見つかった時の喜びが身にしみるのだと納得しております。とういうことで、今回は、所謂ソフト・ロックの定番的名盤として、マーゴと並んで必ず紹介される女性アーティストをご紹介します。



 先ずはFour King Cousins。このジャケですから人気もあります。よく見るとそれほどでもないんですが、昔で云えばキャンディーズ効果、今で云うならパフューム効果とでも云いましょうか、何となくいい感じに騙されてしまうんですね。曲の方は云わずと知れたThe Beach Boysの「God Only Knows」で、このBrian Wilsonの畢生の名曲を素敵な女性コーラスで聴くことができます。途中の部分で“う〜ぅわぁ〜”となるとこなんかはかなりいい感じですね。同じアルバムでロジャニコの「Love So Fine」やバカラックの「Walk on By」、ビートルズの「Good Day Sunshine」なんかもやってますので、女性コーラスのソフト・ロックの超定番といっていいでしょうねえ。



 次はDave Pell Singersです。これもこのジャケですから人気があります。コミカルな表題曲の「マナ・マナ」はCMなどでもかかっていたのでご存知の方も多いかと思いますが、この曲はどちらかと云えば異色で、全体的にはスイートでメロウな女性コーラスがフューチャーされた名盤です。それにしてもこういう60年代の音の質感、例えば1曲目の「Oh, Calcutta」を聴いてみても、この激しくも緩くもなく、体にピッタリとフィットするようなグルーブ感や雰囲気が本当に心地いいですね。もちろんそれぞれの時代の音って云うのはあるんでしょうが、私の感覚にはこの時代の音が一番しっくりきます。女性コーラスの歌声も耳をくすぐるようで、とても気持ちいいです。



 続いてはWendy & Bonnie。ジャケを見ると男女二人組かと思いますが、奥の子も女の子で二人は姉妹です。録音当時17歳と13歳だったというから驚きですが、音楽の方はというとソフト・ロックというよりは、ソフト・サイケといった感じで、朦朧としているような浮遊感がある、どことなく影のあるヴォーカルがクールな印象です。この曲は途中でファズ・ギターのソロなんかも聴けるし、別の曲ではブライアン・オーガーっぽいオルガンのフューチャーされた曲もあります。私はあまり関心ないですが、バック・ミュージシャンにはラリー・カールトンやジム・ケルトナーなど豪華メンバーが参加しているようです。



 次はThe Feminine Complex。女の子5人組で、彼女たちもこの時まだ十代だったそうです。音の方はWendy & Bonnieにちょっと雰囲気が似てますが、こちらの方が若干日差しを感じます。このグループもソフト・ロックというよりはソフト・サイケ、ソフト・ガレージといった感じで、ファズっぽいギターやR&Bっぽい曲もあります。それにしても女子高生5人組でこのクオリティですから、フェイク・バンドではないかと噂されたりもしたようですが、実際に彼女たちが演奏していたそうです。とても才能あったと思いますが、残念ながらこのアルバム一枚で解散してしまいました。



 続いてはMichele O'Malley。この曲、何処かで聴いたと思ったらSagittariusでした。ロジャニコと並んでソフト・ロックの名盤として先ず出てくるのが、Millennium、Sagittariusですが、この2つのグループを作ったのがコーラス・アレンジの天才こと、Curt Boettcherで、そのMillenniumの前身バンドであるBallroomに参加していたのがこのMichele O'Malleyです。なので当然Curt Boettcher系のファンは押さえなければいけないアーティストですね。この彼女の唯一のアルバムでは「Would You Like To Go」の他にも、Sagittariusの「Song to a Magic Frog」(作曲者の中には彼女の名前もあり)や「Musty Dusty」を再演しています。



 さて最後はBirgit Lystagerです。この何と読んでいいのかわからない名前も然り、聴いてもらえればわかりますが、この方、デンマークの方です。デンマークのソフト・ロックかあ。よく見つけてくるよね〜、ほんとご苦労様です。以下、レコード会社の売り文句です。

北欧産ボサノヴァ〜ソフトロックの最高峰!! デンマークの歌姫、ビアギッテ・ルゥストゥエアの唯一無二の美しくも可憐な歌声が、華麗でジャジーなアレンジで奏でられる極上のサウンドの数々が、豪華・国内盤として蘇ります!! 永遠の名盤と呼ぶに相応しい逸品、マストです!!(中略)本作の素晴らしさを語る上で決して外す事が出来ないのが、オリジナルのレコードでは各面のオープニングを飾る二曲。アントニオ・アドルフォの名曲「Sa Marina」のカヴァーM-1は、緩やかなギターのイントロからしてミラクルな儚い名演!! 「静」のハイライトが前者であれば、「動」のハイライトは、九人のあどけない子供達と、爽快なサビのコーラスを歌い上げる最高のハッピーチューンM-7。ブラジルの名曲「Tristeza」をデンマーク語でカヴァーしたこの曲は、ただ一言「ピース!」な、キラーチューン。ここまで幸せを運んでくれる曲って、滅多な事では出会う事が出来ません。これら二曲に加え、カーペンターズやバカラック等、当時のヒット曲の数々を洗練のボサノヴァアレンジで歌った楽曲の数々が満載された、ホントの意味で奇跡の名作です!!

うう〜ん、どうなんでしょうねえ。私的には声が太いのでその点が残念なのと、やはりデンマーク語の語感(こればっか)が駄目なんですねえ。この方、何と7枚組のCDBOXも出ているようでその辺りもマニア心をくすぐります。

『ビアギッテ・ルゥストゥエア』