2009/03/30

さよならシモーヌ、さよならお嬢さんたち


 The Shaggsの記事を書いていて、そういえば女性三人組でちょっと気になるグループがいたことを思い出しました。しかし残念ながらこれが現在進行形のグループでして、私的にはその時点ですでに落第点なのでもちろん購入には至っていませんが、女性の三人組のグループというのも、アイドル・グループならいざ知らず、結構珍しいのかなと思い取上げてみることにしました。女性のトリオ・バンドってあまりいないですよね。昔で云えば、ロネッツやシュープリームス、或いはパリス・シスターズとかハニーズとか、いずれにしてもバンドじゃありません。あとは誰がいたでしょう。ローチェスとか?—うう〜ん、思い出せないなあ。スリッツやレインコーツは三人組だったっけか。

 まあそんなことはどうでもいいとして、今回の主役はAu Revoir Simoneという女性三人組のグループです。まずは一曲。



 ガーリィー&ドリーミーでなかなかの佳曲です。ボーカルの感じもウィスパーとまではいかないにしても、自己主張が強くなくてよろしい。曲の方は、あがた森魚の「水晶になりたい」なんかを思い出させますが、チープなサウンドに物静かそうな女の子三人の歌声というのはいかにも乙女チックな世界で、男子より女子から人気が出そうな感じです。可愛い雑貨屋さんの雰囲気とでも云いましょうか。この映像には本人たちが出て来ませんので、続いては本人たちの登場する映像を。



 さあ、どうでしょうか。さほど美人じゃないのですが、三人寄れば何とやらで、何となく雰囲気があって誤摩化されます。三人揃ってワンピースというのも、乙女の基本を裏切っておりません。続いてもう一曲。



 今度はクッキー作りですよ。ハート形だったりしてこれまた乙女の基本。その後は、三人だけで大騒ぎのパーティです。こういうのは女性はいくつになっても変らんのでしょうなあ。『赤毛のアン』のアンとダイアナの二人だけのお茶会とかね。音の方は、クラスターとかハルモニアなんかのジャーマン・エレクトロ系とか、80年代のエレポップとか、90年代以降のステレオラブとか、まあその辺りの音がチープに交錯しております。

 冒頭にも申し上げた通り、彼女たち、私的には落第点です。見た目も、曲も、アレンジも、歌声も、グループ名も、非常にいい線を狙ってるんですが、残念ながらすべてにおいて何かが少し足りません。はみだす部分がないというか、いい子ちゃん過ぎるというか、大人しい過ぎるというか、ブルドーザーのようなShaggsの後では、道ばたの可憐な花はかすんでしまいますね。さあ、この娘たちの10年後は、一体どうなっているのでしょうか?

『The Bird of Music』

2009/03/29

やっぱりShaggsが好き




 昨日アップしたShaggsの記事を書くために、アルバム『Philosophy of the world』に対するAmazon.comのカスタマー評価を何気なく読んでいたのですが、各々の表題を読むだけでも、如何にこのバンドが毀誉褒貶に晒されているかよくわかります。ちょっと面白いので、適当に表題だけを訳して羅列してみます。(括弧内は評価の星の数)

「Shaggsのようなものは他に存在しない」(5)「素晴らしい、単純に素晴らしい音楽」(5)「シャッグスはあなたを愛している。そして私はシャッグスを愛する」(5)「これは本当にひどい」(1)「最大級の拷問」(1)「まるで自動車事故」(2)「まるで動物用ポルノ」(3)「神の存在を証明するもの」(5)「これを楽しめると主張するすべての人々に」(1)「良くないなら、なんで聴くの?」(1)「どこかでフィル・スペクターが泣いてるだろう」(2)「聖なるたわごと」(1)「広い心で」(5)「他の惑星の音楽」(3)「これ、どうよ?!」(1)「おっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜い」(5)「ひどい、とてもひどい」(1)「偉大でユニークなアメリカの芸術の瞬間の1つ」(5)「いずれにせよ、ごみはただのごみ」(1)「怪しくて面白い」(5)「冗談だろ?」(1)「評価不能の作品」(5)「真実がここに」(5)「私が聴いた中で最も偉大な作品」(5)「偽物」(2)「ごみ」(1)「わかってないのは私の方?」(1)「最高の最低」(5)「芸術が何かはわからないが、好きな物が何かはわかる」(5)「云い表せない」(5)「不思議と心安らぐ」(5)「傑作ではないがそれほど悪くもない」(3)「この娘たち、何吸ってたの?」(1)「どの曲からでもお試しあれ」(5)「なぜプロに音楽を任せますか?」(4)「面白い」(4)「カルト・クラシック」(5)「何か」(5)「これが芸術である理由」(4)「信じられない」(5)「長ったらしいゴマスリレビューなんかいらない」(3)「いいんじゃない、万人向けじゃないけど」(5)「音楽の超越、または髪型がいけてない日」(4)「シャッグスの怪しい世界へようこそ」(5)「このアルバムはひどいです!」(1)「音楽の民主化における偉大なる第一歩」(5)「あなたはこのバンドが本当にどれくらいひどいか想像もできない」(1)「前衛的ダダイストの古典的名作」(5)「笑いが止まらない!」(1)「車を持っている男の子の全員がオートバイが欲しい」(5)「言いようのないくらいひどい」(5)「おそるべきレコーディング」(1)「シャッグス…女性版アッティラ」(3)「音楽についてあなたが知っていること全ては間違っている」(5)「シャッグスの哲学」(5)「光合成」(5)「おお神よ、これはひどい」(5)「音楽は死んだ、シャッグスは生き続ける」(5)「広告に踊らされるな!」(1)「必須」(3)「警告:子供に与えないでください」(3)「即席二日酔い」(1)「なぜマイナス3つ星の設定がないのですか?」(1)「爬虫類の脳の音楽」(4)「ダダの家庭バンド」(3)「いいでしょ?」(5)「今やこれは古典的名作!」(5)「耳のマゾヒストのための音楽」(5)「いかしたバンドのいかしたアルバム!」(5)「痛みを伴う喜び」(5)etc…

 さてあなたの評価は一体どうでしょうか?

『Philosophy of The World(紙ジャケット仕様)』

2009/03/28

The Shaggs—最低にして最高の女の子たち


 褒められるにせよ、貶されるにせよ、常に最大級の言葉をもって語られるバンド、それがShaggsです。では、何故そうなったか?—まずは彼女たちの音楽を聴いてみてください。



 どうでしょうか?—殆どの方が、彼女たちの演奏を音楽として成り立っていない聴くに堪えない代物だと思うでしょう。或いは聴いて大爆笑する人もいれば、激怒する方もおられるでしょう。逆にフランク・ザッパのように「ビートルズよりも偉大なバンド」と感嘆する方もいることでしょう。因みにAmazon.comで、彼女たちのアルバムの再発CDに対して寄せられたカスタマー・レビューの数は130件、そのうち最高の五つ星をつけた人は58人、最低の1つ星は33人という結果で、中間層をそれぞれに配分すれば、ほぼ最高と最低の数は半々になります。これぞ正しく賛否両論ですね。私にしてみれば、このshaggsはこれまで世の中に存在したバンドの中で最も敬愛するバンドで、音楽嫌いの好きな音楽としては最高のものです。確かにバッド・テイストではありますが、不思議と私は彼女たちの演奏を下手くそだとは思わないのです。それどころかshaggsの音楽を聴けば聴くほど、実はこの音楽は天文学的に緻密な計算によって作られているのではないかと、阿呆みたいなことを真剣に考えてしまうくらい素晴らしいものだと思っています。Shaggs賛美者の多くがきっと同じような感慨を抱いているに違いないでしょう。
 聴いてみてすぐにわかることは、まずはドラムのリズムが歌やギターと全くシンクロしていません。なぜこのようなズレが生じているのか。それを「下手だから」と言い捨てるには、このドラムはあまりにも絶妙な“間”を刻みすぎています。音楽について何も知らない子供に楽器を持たせたら、音楽にならない無茶苦茶な演奏をするでしょうが、そういう意味の下手さとはわけが違うのです。そしてそれを彼女たちが何の疑いもなく演奏していることで、彼女たちが何処か人知の及ばない所に行ってしまっているような印象を受けます。曲の進行に関係なく独自のリズムを刻むドラムに、ぶっきらぼうで能天気なボーカル、それに完全にユニゾンするリードギター、そして全く音程無視のベースが数曲に入るという、まったくもって史上最強、空前絶後の名演奏です。もちろん楽器のチューニングはゆるいし、歌の音程も曖昧で、敢えて微分音を使って歌ってるんじゃないかと疑うほどです。それでもこの演奏を何度も聴いていくと、精神も肉体も何もかもを放擲して、すべての形あるものが溶解していくような、意志とか意識というものが脳から溶け出して流れていくような感覚に晒されます。もしかしたらこれは別の世界の話なのかもしれませんが、もはやそこには苦しみも哀しみもなく幸福な光だけがある、というような感覚にさえ陥るのです。非常に大袈裟な言い方ですが…。
 加えてshaggsのもう一つの大きな魅力(魔力)は、アルバム『Philosophy of the world』のジャケットを見て頂ければわかる通り、彼女たちのその容姿です。こちらも音楽の内容を裏切らない、というかピッタリのぶっ飛んだ三姉妹で、その奇跡の不細工ぶりはこのバンドのカルト度をさらに引き上げています。アメリカの片田舎の三姉妹の父親が、ある日突然その娘たちに楽器を与えて一日でレコーディングさせたのがこの『Philosophy of the world』なのですが、父親にとって彼女たちは自慢の娘たちだったということは、このジャケを見ればよくわかります。そしてその愛こそがこの作品に普遍的な魅力を与えているのです。

The Shaggs CD Discography

『The Shaggs』 Rounder/Red Rooster(US) CD 11547/1988
『The Shaggs』 Creation/Rev-Ola(UK) CREV 019CD/1994
『Philosphy of the World』RCA Victor(US) 09026 63371-2/1999
『Philosphy of the World』Lost House Archive Club(JAPAN) LHAC7007/2007 ※紙ジャケ
『Shaggs'Own Thing』Lost House Archive Club(JAPAN) LHAC7013/2008 ※紙ジャケ

※掲載したのはRev-Ola盤のCD。このジャケットの3人、マトリョーシカみたいで可愛いと思うのは私だけでしょうか?

2009/03/19

一日じゅう電子音楽を聴いていた


 テリー・ライリーの「A Rainbow in Curved Air」を聞いていたら、いろいろと昔のことを思い出して来ました。いまではもう全く聴くこともなくなってしまいましたが、当時は電子音楽が大好きで、いつ電子音楽作品が流れるかわからないのにNHK-FMの『現代の音楽』を毎週欠かさずエアーチェック(死語)していたほどでした。今と違ってこうした音源を手に入れるのに当時は相当苦労をしたもので、その頃に比べると全く世の中便利になったというか、正しく隔世の感があります。ということで今回も前回に引き続き自己回顧シリーズ/電子音楽篇をお送りします。



 まずはエドガー・ヴァレーズの「ポエム・エレクトロニック」。このタイトル、当時すごく気に入ってました。当然の如く未来派とかダダとかの影響を受けてたので、この「電気詩」という概念は非常に好きなものでした。音の方もとにかく構成が完璧というか、超クールというか、電子音、具体音、楽器音、各種取り混ぜて、しかも絶妙な隙間のある空間&時間処理は、まさしく電気的な音に拠る「ポエム」なのでした。



 続いてカールハインツ・シュトックハウゼンの「コンタクテ」です。当時シュトックハウゼンという名前は、私の中で科学者か物理学者のように響き、電子音楽の権威として圧倒的な魅力を持っていました。この作品では電子音にピアノと打楽器がミックスされてますが、飛び道具っぽい電子音がスリリングに行き交う様は、これまた非常にカッコいいです。電子音の音色も素敵。



 続いてはジョルジ・リゲティの「アーティキュレーション」です。これ、見て頂ければわかると思いますが、図形楽譜が音の進行と同時に移動していきます。面白いですねえ。まるで視覚詩や抽象絵画をそのまま音楽にしたかのようで、例えばミロの絵を音楽にしたらきっとこんな感じなのだろうと思って聴いていました。



 続いてはイアニス・クセナキスの「ペルセポリス」です。楽器音、自然音、具体音をごちゃ混ぜにして、そこに電気的変調をかけるというライブエレクトロニクス的な傑作で、重く引きずるようなドローン・サウンドが無窮の時間を感じさせます。クセナキスは建築家にして数学者でもあって、音楽は建築や数学とも結婚できることを証明しました。



 そして最後はジョン・ケージです。ご存知の通り、ケージは「4'33"」という無音音楽作品で、音楽と非音楽の境界線を済し崩しにした、あるいは音楽の概念を転換させた人です。ケージの前と後では音楽の意味は根本的に違っている筈です。そんなケージを好きになってしまうと、そこからデュシャンやウィトゲンシュタインに繋がって、それは最早音楽だけの問題ではなく、存在そのものの哲学的考察へと関心が移っていき、少年はそうして次第に大人になっていくのでした。

2009/03/09

テリー・ライリーが教えてくれた


 先日のフレンチ・エレポップ特集で思い出したのですが、奇しくも今年は私が自覚的に音楽を聴き始めてからちょうど30周年です(どうでもいいですが)。30年間でいろんな音楽聞きすぎて(特に最初の20年間)、ここ10年くらいは逆に音楽嫌いになってしまい、最近は耳心地の良い女性の歌ばかり聞いておりますが、しかし思い起こせば全ては1979年に始まり、そして今の自分があるということで、本来の趣旨とは関係ないですが30年前の自分の音楽との出会いをここでちょっと回顧してみたいと思います。興味のない方には本当にどうでもいい内容で恐縮ですが…。



 私の最初の音楽体験は、テリー・ライリーの「A Rainbow in Curved Air」でした。小学生のガキがいきなりありえない感じですが、小学校の高学年にもなると、例の「科学と学習」か何かの付録に自作のラジオ・キットがあって、それを作ったりしてラジオに親しむようになり、興味本位でAM・FMの番組をいろいろと聴いていて、ある日まったく偶然にNHK-FMの『現代の音楽』を耳にし、当時番組のテーマ曲になっていたこの曲を聴いたのです。その時の感想を当時の小学生の言葉で言えば、脳みそに炭酸水(ファンタか?)を注ぎ込んだ感じとでもいいましょうか。この電子音の音の粒々が湧き出る泉か洪水の如く押し寄せる感覚にすっかり魅せられてしまいました。そうして『現代の音楽』を毎週欠かさず聞くようになり、ひたすらNHK電子音楽スタジオ制作の音源が流れるのを心待ちにしていたのでした。



 その後すぐにテクノの時代がやってきました。当時の小中学生の誰もがはまったYMOに私もはまりました。ギターで渡辺香津美が参加していたのも大きいですが、今聞くと初期のYMOはテクノというよりほとんどシリアスなフュージョンですよね。すごくグルーブ感があって、パンクやニューウェーブから派生した所謂テクノポップの感触とは随分と違ったものに聞こえます。ニューウェーブ系のアーティストはどちらかといえば演奏技術よりアイデア勝負なところがありますが、YMOに関してはメンバーのそれまでの経歴からしても、高度な演奏技術に裏打ちされた計算された音楽なのでした。もちろん当時はそんなことには気づいてさえいなかったですが。



 YMOの全世界デビュー盤の1stの帯には、「クラフトワークが脱帽し、ディーボが絶賛した」とのコメントがありました。それじゃあクラフトワーク聞かなきゃねえ。NHK-FMで彼等の来日公演の模様が放送されたのはいつのことだったでしょうか。TDKの鉄製のメタルテープに録音しましたよ〜。これも一聴して好きになりました。『人間解体』や『ヨーロッパ特急』のジャケットを見て、この人たちは人間か、サンダーバードの人形じゃないのかと本気で思ってました。YMOと比べると非常に機械的で人工的でストイックな感じがしてこれが本当のテクノポップなんだと思ってました(特にリズムマシーンの音に)。



 さてもう一方のディーボです。クラフトワークの理路整然と並んだ音の配列に比べて、ディーボは随分とぶっ壊れてる印象を受けました。騒々しくてぐちゃぐちゃで奇妙でパワフルで、私はディーボによってニューウェーブの洗礼を受け、バンドという形態を初めて意識したのもこのディーボが最初でした。後になってプロディースがブライアン・イーノだと知ったり、そこから『No New York』関係につながっていったりと、70年代後半から80年代前半にかけてのパンクやニューウェーブやノイズ・アヴァンギャルドなどの先鋭的な音楽を追求する第一歩になったのが彼等でした。

 さてさて、そんなおり、当時小中学生に人気のあったNHKのTV番組『600こちら情報部』でこんな特集が組まれたのです。



 80年の春ですかぁ。当時テクノ御三家といわれたP-MODEL、ヒカシュー、プラスチックスが出演して生演奏するという企画、それが子供向けの情報番組で放送されるのだからすごいですよねえ。今見ると非常に時代を感じさせる映像ですが、当時はすごくかっこ良かったんです。もうリズムボックスの音がねぇ、イントロでそれが鳴り出すだけで、自然と体が反応してしまうのです。これによって完全に私はテクノ/ニューウェーブの波に呑まれてしまい、しばらくその海を漂流することになるのでした。

 さて、最後にこのブログらしく当時のテクノ・アイドルの紹介です。



 「レッツゴーヤング」、懐かしいですねぇ。彼女は当時中学生で、ほぼ私と同世代でした。今見ても可愛いと思うのは私だけでしょうか?

2009/03/02

出がらし・フレンチ・アイドルの系譜


 前にフランス・ギャルとシャンタル・ゴヤ以外の、代表的なフレンチ・アイドルを特集しましたが、今回はその第2弾です。最初にはっきりと云ってしまいますが、60年代のフレンチ・アイドルはその殆どが見た目も声も歌い方も、全てにおいてまったく可愛くありません!―フランス・ギャルを想定して探索すると非常に残念な結果になります。楽曲の質も低いし、歌い方も語気が荒かったり、或いは妙に鼻にかけたような媚を売るような感じのものが圧倒的に多くて、その殆どが私的には落第点なのでした。そうして結局は今回も、フランス・ギャルとシャンタル・ゴヤが最高!ということを証明するためだけの企画になってしまったのです。



 先ずはAlice Dona。こういうR&Bっぽい曲調はフレンチ・アイドルには結構多いです。しかもみんな声が低い。シェイラもそうなんですが、時代でしょうか、みんなおばさんくさいルックスなんですよねえ。



 次はAnnie Philippe。声の感じはフランス・ギャルに近いといわれますが…。この曲は「Polichinelle」と「Love is blue」のアマルガムのよう。絶対に意識してますな。しかし如何せん歌もルックスも超B級なのでした。



 次はAnn Sorel。この人も声が低いですねえ。しかも鼻にかける系です。日本人でも60年代にはこんな歌い方の歌手が多いですが、どうも古くさくなっちまって駄目ですねえ。



 次はArlette Zola。このメロ、聞いたことありますね。なんかオールディーズですよね。忘れました。シェイラ系でしょうか。



 次はChristie Laume。結構声は可愛いですが、やはりちょっとぶっきらぼうですねえ。もう少し丁寧に優しく歌えないもんでしょうか。



 次はChristine Pilzer。この人も可愛い系の声ですが、ああ、また鼻にかけちゃった。もう少しナチュラルに気を抜いて歌えないもんですかねえ。



 次はGillian Hills。ちょっと有名人が出て来ました。不良っぽい感じというか姉御っぽいというか、まあこの人の歌はカッコいいです。案外鼻にかけてないので、R&B系の歌が似合う声ですね。



 次はJacqueline Taieb。この人もちょっと人気あり。Gillian Hillsに近い感じでカッコいいですね。ブリジット・バルドーっぽいところもあります。関係ないですがこの曲、Richard Hellの「Blank Generation」にそっくりです。



 次はMarie Laforet。この人も有名人。まあ解説の必要はないでしょう。VTRをよく見てみると後ろでロシア人の扮装で踊るのは、セルジュ・ゲーンズブールでした。こんなとこで何やってんの?



 次はMarjorie Noel。この曲も聴いたことある人が多いのでは。結構可愛い声で歌心も感じますが、いかにもこれはオールディーズというかAMの深夜ラジオっぽいノリですなあ。



 次はMinouche Barelli。ちょっと疲れてきました。この曲はなんとセルジュ作だそうです。完璧に手抜きだなあ。それを歌い上げられてもなあ。そんな力入れて歌うほどセルジュは力入れて作ってないっす。きっと。



 次はPussy Cat。名前もカッコいいけど、曲もいいなあ。「Shalalalalee」が「Ce n'est pas une vie」か。日本語だったら「あ・り・え・な・い、イェ〜!」とでも訳しましょうか。これは好きです。



 次はRia Bartok。可愛い声ですが、ちょっと演技過剰ですかねえ。どうしてもこうなっちゃいますね。なんかみんな同じ先生に歌唱指導を受けてるんじゃないでしょうか。



 次はTiny Yong。この人はちょっと変わり種。ベトナム人だそうです。日本人にも見えますね。コケティッシュ系ですが、意外と耳障りが良いのはフランス人の「濃さ」がないからでしょうか。



 次はVetty。このシングル1枚しか出してないようです。子供のような声ですが、これは作為的ですねえ。



 最後はVickyです。「恋はみずいろ」ですが、当然私はクロディーヌ版と比較してしまいます。ブルっ!ブルっ!ラムっ!ヘっ!ブルっ!、う〜〜〜、もう少し優しく歌いませんか〜。そんなに息荒くしなくても…。見た目はほとんど妖怪人間ベムです。

 全体的にこんな調子でして、ならば取上げなきゃいいじゃないかという声が聞えて来ますが、この現実をご覧頂いた上であらためて思うのは、フランス・ギャルとシャンタル・ゴヤって、見た目も声も歌も本当に可愛いですよねえ、でも他にそういう人っていないんですよねえ、ということなのでした。

2009/03/01

ボーイ・ミーツ・ガール - in French 80's!


 そういえば80年代前半のフランスには、男女の二人組のバンド(それもみんなテクノとかエレポップっぽいグループ)が何組かいましたね。私は完全にテクノポップ世代なので、クラフトワーク以降のそういうグループは当時結構好きだったんですが、中でもフレンチ系のエレポップがお気に入りで、今思えばその頃からフレンチ贔屓でした。(最近はそうでもないですが。)この辺りの音楽は滅多に振り返ることはないですから、懐かしさを込めてちょっと特集してみます。



 まずはMikado。ノンスタンダード・レーベルで作品を出していて、細野晴臣がプロデュースしてましたから、テクノポップ少年としては聞かない訳にはいきませんでしたね。今聞くと結構ウィスパーヴォイスで、この頃からこういう声が好きだったのかもしれません。クレプスキュールとか新星堂のシリウス・コレクションとか、聞いているとあの時代のいろんなことを思い出して来ます。The Durutti Columnとかね。MikadoはCDは全部廃盤みたいですが、幸いiTunesで購入可能です。



 続いてはElli et Jacno。この音の感じ、たまんないなあ。リズムボックス(808か)やシンセ、少しエコーのかかった華奢なギターの音、感情のない冷たいヴォーカル、まさに1979年の音ですね。クラフトワークの影響はもちろんですが、同時代のOMDや初期Depeche Mode、Human Leageにも近い感じです。



 次はDeux。当時シングルしか出していませんので、かなりマニアックですが、これも良いですなあ。パリ - オルリー、耳に残ります。確か当時も耳に残っていたはず。こういう音の質感やビート感、人工的で感情のない歌声が、年少の頃に体に刻み込まれてしまったので、やはり基本はこれなのでしょうね。



 続いてはKas Product。うわあ、これはSuicide系ですね。エレクトロ・パンクというのでしょうか。ヴォーカルスタイルやリズムボックスのおかずの入れ方にPlasticsを思い起こします。男性の方の髪型も時代やなあ。Einstürzende Neubautenのブリクサとかこんな感じじゃなかったでしたっけ?SPKとかDAFとかも思い出して来ました。やばいです。



 最後はLes Rita Mitsouko。彼等はエレポップではないですが、やはり80'sなのでそういう要素は随所に感じられます。当時も思っていましたが、この男性の方のインチキくさいルックス、かなりいけてます。この曲は当時かなりはまってよく聞いてました。ミツコがMitsukoではなくMitsoukoなのがフランスっぽいですね。(わかる人にはわかる)

 思春期にリアルタイムで聴いていた音楽というものは、そう簡単には体の中から抜けてはくれないようです。その頃に聴いていた音楽をこうして久しぶりに聞いてみると、自分があの頃から何も変わっていないような気がしてきました。随分と遠回りをしているような気もしますが、結局は誰しも最初に戻って来るんでしょうねえ。